家というものは、平面的な安定感のほかに、立体的な安定感がなければなりません。
そこで、見本の立体的な家を見てみますと、まず、平家で凹凸のないものは極めて安定しています。
昔の家は平家が多かったわけですが、最近では地価が高くなったために、2階建て、3階建てなどは増えてきているわけです。
その点からしますと、2階建てでは、「総2階」が一番安定しています。
これは建築力学的にも、どこか一方に重心がかかることなく、平均的にかかりますので、長い間に、家が傾いたり、地震などの時に
「不等沈下」を起こしたりする可能性が少ないわけです。
ところが、2階建てではあっても、一部分にのみ2階部分が乗っていますと、その部分だけでのバランスが取れるように造られているならまだしも、全体的な構造の中で考えますと必ず重心が偏るために、普段は問題がないにしても、地震などが起きますと振動に弱い面が出てきてしまいます。
それを避けるためには、2階の部分はできるだけバランスを考えて建ち上げるようにすることが肝心です。
このように、家というものは見た目にも安定感があることが大切で、それを無視したやり方は失敗します。
三上靖史・住宅鑑定風水インストラクター