建物はその形態で、いかにも不安定なものと、安定したものとがあります。
平面図で見て形が整ったものが、地震や台風などが襲ってきた時に一番強さを発揮します。
それに対して、変形した建物は、力学的には、力の加わり方が違うので、「捻じれ現象」などが起きて、家の構造体などが壊れやすいのです。
特に、中央部分のへこんでいる家の形は、風や地震の時に最もへこみ部分に力がかかりやすく、割に弱くできていますので、不安定さは最悪になっています。
設計士などに家の設計を頼みますと、「意外性」を出すために、さまざまな変形の家の形や、屋根の形を造りたがりますが、それは気をつけなければなりません。
そのような家の設計は、施工主からみれば、「遊ばれている」というように考えなければならないのです。
設計士から見れば、自分が住む家ではないので、多少の遊びがあっても構わないでしょうが、住む側は困ったことになるのです。
このように、絶対譲れない部分についての知識だけは持った上で、多少の譲歩をするようにしたいものです。
そんなことは知らなかった、というような考えでは満足な家は建ちません。
三上靖史・住宅鑑定風水インストラクター